RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN

neel 中目黒

2023 /Nov/ 19 updated

目黒川添いの道を1本奥に入った路地に、ひときわ目をひくペパーミントグリーンの建物が見えてきます。窓枠はアーチ状に真鍮で縁取られ、入り口はヴィンテージの木製のドアと白いテント生地でできたひさしがアクセントになっています。まるでウェス・アンダーソン映画から抜け出してきたようなカフェです。

『neel 神宮前』をスタートして２年ほどたち、neel2号店として出店地を探していると、中目黒のとても珍しい物件と出会うことができました。研修所として使われていた木造の建物でしたが、とても古い物件で最初は本当に改装ができるのか不安でしたが、一緒に下見に来たDEN PLUS EGGの担当者が、「ステキになりそうです」と言ったことで、ここに『neel 中目黒』をつくることに決めました。

ここでもneel側とDEN PLUS EGGの二人三脚でいろいろと意見交換をしながらイメージを形にしていくスタイルでお店作りが進められました。お店に入ると、真鍮の板でデザイン・チューンナップしたエスプレッソマシンが目に入ります。ヴィンテージのチェアや灯りが絶妙にレイアウトされ、いきなり“neel”の世界が広がります。通り側のアーチ状のふたつの窓が店内からもいいアクセントになっています。

今回の新たなチャレンジは、畳をつかった和の設えの小部屋です。「初めて実験的に畳の部屋をつくったんですが、畳の部屋に壁付けのテーブルを張り出し、天板にリノリウムを貼り北欧っぽさを出しました。それぞれのテーブルに間接照明の灯りをつけ、天井の格子の形や灯りも工夫して和室っぽさをなくしたんです。畳をうまく生かした空間になり、個人的にもいい経験になったと思っています」とneelのTさんの話にも力が入ります。DEN PLUS EGGとともにアイデアを出し合いながら唯一無二の空間に仕上がりました。

2階に上がると古い木造の建物の梁が見えてきます。奥の壁は自ら土壁のような雰囲気に仕上げ、アフリカの木彫りのマスクを飾ります。床には古材を敷き詰め、窓側のテーブルの天面にはそれぞれ色違いのリノリウムを貼り、あちこちにヴィンテージの明かりを灯しました。そして、2階のアーチ状のドアから外に出ると、『neel 神宮前』と同じようにテラス席が。DEN PLUS EGGの提案でテーブルやベンチはイロコ古材を使用、雨にも強く美しい素材です。テラス席と室内をつなぐ２つの窓はハニカム・フォルム、さまざまな要素が不思議とうまくまとまりました。「DEN PLUS EGGさんといろいろ意見を出し合いながら進めるので、途中でプラン変更になることなどもありましたが、ここまで寄り添ってくれる設計施工会社はほかにはないです」と言い切ります。

お客さんはみんなそれぞれお気に入りの席に座り、思い思いの時間を過ごし、畳の部屋では今日も海外のお客さまが靴を脱いでくつろいでいます。2店目の『neel 中目黒』は、1店目の『neel神宮前』をさらに進化させた工夫が随所に見られます。２店ともに、neelとDEN PLUS EGGのアイデアが融合した、どこにもないオリジナルなカフェになりました。

neel 中目黒
東京都目黒区青葉台1-25-9