RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
イングリッシュガーデンに囲まれた3階建ての白い家。
兵庫県芦屋市 2023 /Oct/ 03 updated
花盛りのアジサイやハーブ、小さなイングリッシュガーデンのようなお庭に囲まれたグレイッシュな一軒家。玄関ドアを開けると広々とした玄関と弧を描く上り口、白い扉の壁面収納、そして白い引き戸の向こうにはグランドピアノが。白木のフロアと白い壁、白いカーテンと白い天井、そしてゴールド色の真鍮の取っ手やスイッチ。白とゴールドに統一された空間は清楚で凛とした雰囲気とさりげない甘さの両方を纏っています。真っ白な階段を上がると2階は広々としたダイニング・キッチン。壁一面がすべてキッチン・カウンター、スペースを最大限に生かすレイアウトで、ダイニングには4人家族がゆっくりと過ごせる大きめのダイニングテーブルが。ベランダの横には、ラブソファが一つ。
「もともと間取りに興味があって、“狭小地の住宅設計セミナー”にも通っていたんです。この辺りで戸建てを建てるとしたら広い土地は難しいとわかっていたので、小さくても快適に暮らせる家について考えていました」とKさん。「わたしはピアノ教師をしているので、1階はグランドピアノを置く教室として使える部屋を予定していました。そこで提案いただいたのが、2階がダイニング・キッチンとベランダ、3階を寝室と子ども部屋として、リビングルームのない間取りなので少し迷いましたが、結果的にそれぞれの部屋がゆったりとしていて、とてもよかったと思います」と話すのは奥さま。
2階にはもう一つ、こちらも広々とした洗面・脱衣所スペース。洗面所、トイレ、バスルーム、洗濯機、そして大きいウォークインクローゼットをまとめたユーティリティー空間。家事や身支度をまとめてできるという機能性を重視しているにも関わらず、海外のホテルのバスルームのようなステキなインテリアの空間です。
「かなり大きめのウォークインクローゼットが設けられていて、家族全員の服や小物が入っています。このクローゼットを提案いただいたときははっきりとイメージできなかったのですが、今はもうこのウォークインクローゼットなしでは暮らせません(笑)。もしなかったら、きっとダイニング・キッチンはモノであふれていると思います」と奥さま。
そして白い階段をもう一つ上がると3階は、子ども部屋と主寝室。この家が出来た当初はお腹にいた男の子と今年生まれたばかりの弟くんが一日中遊べるキッズルームになっています。屋根の勾配を利用した天井は、赤毛のアンが住んでいそうな屋根裏部屋のような雰囲気のするわくわく空間。子ども部屋は床付きの大きめの窓からたっぷり光が差し込むように、主寝室は横長の小さめ窓にして、明るすぎない工夫を。子ども部屋は将来個室にできるようエアコン2台を設置できる仕様になっています。
2019年に完成したK邸。グッドネイバーで環境のいい立地のポテンシャルを最大限に引き出した3階建ての一軒家は、コロナ禍のなか家族を守り、ステイホームの時間を心地よく充実したものにする素晴らしい空間となりました。

家ができあがるずいぶん前に住宅情報誌でDEN PLUS EGGを知り、D+E MARKET各ショップやD+E MARKETフリーマーケットを訪ねていたK夫妻。芦屋にあった『D+E MARKET Cont’d』は特にお気に入りで、足繁く通っていたと言います。ご主人が神戸、奥さまが大阪に通勤することを考えて阪神間で戸建てを持ちたいと考えていました。2018年にタイミングよく希望のエリアで土地を入手、車通りのほとんどない道路に面した角地で日当たりもよく、低層住宅ばかりの希望通りの土地でした。早速DEN PLUS EGGに相談、担当Tと一緒に、高さ制限を考慮した3階建ての戸建ての設計に取りかかったのでした。
「ここに住み始めてまもなく子どもが生まれて、わたしは家でピアノ教師をすることになりました。その後コロナになって主人がテレワークとなり、ピアノサロンの一角をテレワークのオフィススペースにしました。教室があるときは主人がキッチンで仕事を、主人のテレワーク中わたしはキッチンで家事をできるので、それぞれの必要なスペースがうまく確保できて、仕事も家事も育児もスムーズにこなせるストレスのないステイホームになりました」と教えてくれた奥さま。ご主人の膝には長男が、奥さまの膝には生まれたばかりの次男が座って、家族そろってインタビューに答えてくれます。
「自分たちでセミナーにまで通って間取りなどいろいろ考えていたのですが、設計担当Tさんのアイデアが素晴らしすぎてすべて提案通りにしました。真っ白な空間や階段は、狭小住宅を広く見せるアイデアだと思います」と話す奥さま。確かに2階のキッチンのタイルもキャビネット扉も階段の手すりまですべて真っ白。ただK夫妻が「狭小」という言葉を使って初めて、小さめの住宅スペースだったのだと気づくほど、家全体が広々としてゆとりのある空間です。グランドピアノのある1階では、ピアノの発表会やミニコンサートも開催されます。
「特に気に入っているのは、勾配のついた3階の天井です。いい意味で非日常感を毎日感じられます」とご主人、「わたしは階段の細い手すりがお気に入り。こんなに細いのにしっかりしているんです。あ、それからhanautaさんにつくってもらったお庭も本当に気に入っています。完成から4年経って、草花がとてもいい感じに育ってきました!」と目を輝かせる奥さま。FLUFFY AND TENDERLYでオーダーしたオフホワイトのカーテンがかけられた部屋は眩しいほどの光にあふれています。ダイニング・キッチンのシェードカーテンは、今年付け替えたばかりの新しいもの。「いまもお家のことで何か相談があったらTさんに連絡を取っています」。自宅でのテレワークとピアノ教室、ふたりの仕事は現在進行形ですが、住み分けも快適で、子どもたちとガーデニングを楽しむ日々を送っているそう。
「男の子2人だから、3階はずっと間仕切りなしでもいいかな」と奥さまが問いかけると「うーん、やっぱり個室が欲しいでしょ」とご主人。兄弟が中学校に入るころには、次のプチリフォームが必要になってくるかもしれません。
2階のダイニングキッチン。白いキャビネットと白いアルチザンタイル。
キッチントップも白で、明るい空間に。
キャビネットの取っ手は真鍮でアンティークのようなニュアンス。
洗面所からキッチンを望む。写真の右側にはベランダが。
2階左手は広々した洗面所。
洗面所はホテルのバスルームのような使いやすさ。
階段ケースもすべて真っ白で、空間に広がりを感じる。
すべてが白く、自然光の陰影が美しい階段。
3階は、子ども部屋と寝室。子ども部屋は現在は開放的なワンフロア空間。
将来は2つに分かれる予定。
天井の勾配を生かした非日常感を感じる部屋。
1階はピアノ教室。教室がないときは、ご主人のテレワークオフィスに。
玄関の小上がりから、ピアノ教室を望む。
玄関のシューズケース、トイレのドアもすべて白で統一。
玄関ドアも白く。
玄関は黒い石を敷き詰めて。
玄関とピアノ教室の間に吊り戸を設置。
ヨーロッパのお家のような植物のあるエントランス。
造園家hanautaによるガーデンにはお花がいっぱい。
撮影は5月。植物の佇まいで季節を感じられる。




