RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
吹き抜け、アイランドキッチン、中庭を実現した螺旋階段のある一軒家。
2023 /Jul/ 06 updated子どもが人格やセンスを形成する貴重な時期に、それを育む優しい殻をつくりたい。
落ち着いたグレーの外観、木製の玄関ドアを開けると正面には小さな中庭。LDKへ続く室内ドアの真鍮プッシュプレートを押して入ると、日差しがたっぷり入る広々としたリビングダイニングが。大きなアイランドキッチンを通り過ぎて振り返ると、キッチン壁はイエローとグリーンのハッピーなタイル使い。そしてリビングの奥には螺旋階段が! そのまま2階に上ると明るい主寝室と子ども部屋が2つ、大きいウォークインクローゼットもあります。
「わたしたち夫婦はふたりとも一戸建てで育っていますので、子どもたちも戸建てのお家で育ってほしいと思い、長女が小学生に入る前に家を建てることにしました」と話すA夫妻。子どもが人格やセンスを形成する貴重な時期に、それを育む優しい殻をつくりたいという親心が伝わってきます。
トータル予算を考えて郊外の分譲地を選択。そこは美しい稜線を持つ山とのどかな畑が近くにある穏やかな土地、北東の玄関側は少ない開口部、東南の窓はたっぷりとした採光を考えたとても明るい2階建ての一軒家ができました。「わたしが育った実家は光があまり入らなくて暗かったんです。だからこんなに明るい家で子育てをできるのは本当にうれしいです」と奥さま、走り回る姉弟を見て、うれしそうに微笑んでいます。
3つの希望「吹き抜け」「アイランドキッチン」「インナーテラス」。
A夫妻は、まず3つの希望「吹き抜け」「アイランドキッチン」「インナーテラス」を伝えました。延べ床面積99㎡の2階建てで「吹き抜け」を実現するために、設計担当者が提案したのは螺旋階段。大きな開口窓につけられた螺旋階段は「階段としての機能を兼ねる吹き抜け」という省スペースアイデアです。登りきった踊り場には家族みんなで共有する大きなウォークインクローゼットとトイレ、そして姉弟の個室と主寝室が。子ども部屋は南東に位置していて、将来部屋で勉強をするようになっても昼間は気持ちいい自然光の中で過ごすことができます。北西に位置する主寝室にも大きい高窓をつけ、周りの建物と干渉しない開放的な開口部から心地いい光が差し込んでいます。
1階は、大きいアイランドキッチンを回遊できる広々としたLDK。全面ガラスの開口部の外は縁側のようなテラスになっていて、中庭でBBQができるようなレイアウト。「1階の共有スペースで家族の時間をできるだけ一緒に楽しみ、寝室は寝るだけにしたい」という奥さまの希望で、LDKはワンフロアでありながら、子どもが育った後もそれぞれのパーソナルスペースを確保できるようなゆとりのある空間になっています。
「螺旋階段の提案を受けたときには驚きました。自分たちではまったく考えつかなかったアイデアです。螺旋階段のおかげで、リビングがとても広く明るくなったので本当にステキなプランだと思います」とAさん。「もう一つのお気に入りは“洋梨”をイメージしてつくられたキッチンです」という。
洋梨のキッチンがお気に入り。
DEN PLUS EGGの注文住宅では、設計担当者と内装担当者がチームになって家づくりをすすめます。キッチンの仕様は主に内装担当者がコーディネートします。洋梨のイメージ、それはおいしい洋梨の色をキッチン全体から感じるような色使いのこと。アイランドと壁付けキャビネット扉は洋梨の身のような淡いクリームイエロー、壁のアルチザンタイルはグレーベースに洋梨の皮のグリーンをポイントで入れてアクセントにしています。この提案を受けたとき、A夫妻は、すぐに賛同。おいしいイメージでつくられたキッチンは、できあがると本当においしいイメージで、おいしい料理がつくれそうです。
回遊できる広々としたキッチンは奥さまの希望。「キッチンは、いろんな人が自由に入れて、自由に料理をできるような空間にしたかったんです」と微笑む。まだ小さい姉弟も、そのうち自由に料理を始めるかもしれないと将来を考えたデザインです。
「家ができたばかりで庭はまだできていませんが、どこかにシンボルとなる木を植えようと思っています。リビングからも玄関からも見えるような木を」と話すAさん。玄関ドアを開けると大きな窓があり、窓の向こうは中庭です。この窓は玄関の採光を取ると同時に、お出迎えの風景画の役割をはたしています。「ここに木を植えて、木のある風景がお客さんを迎えることが将来の希望です。庭には植物も植えて、柵の外にも植物を植えて、リビングからもグリーンが見えるようにしたいんですよね」とこれからの暮らしにいろいろな思いをはせるAさん。子どもたちと一緒に育てる楽しみのある理想の家が誕生したようです。